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 アルコールの代謝のしくみ

  

肝臓の大きさ

肝臓は体内最大の臓器で、人間が生きていく上で重要なはたらきをしています。

また、血管が3本出入りする唯一の臓器です。

肝臓の重量は、成人男性が約1300グラム、女性が約1250グラムあり、

およそ全体重の50分の1を占めています。

肝臓に入る血液は、毎分1.5リットルで心臓から送り出される血液の約5分の1にあたります。

このうち、門脈から毎分1.2リットル、肝動脈から毎分0.3リットルが流れてこんでいます。

門脈から栄養分を、肝動脈からは酸素を取込むことによって、種々の化学処理を行っています。

肝臓の主な機能

肝臓は次の機能をそなえています。

 ○代謝機能

  糖質、たんぱく質、脂肪などの合成や分解を行います。

 

 排泄機能

   脂肪を消化する胆汁という消化液を作り、胆管から十二指腸に排出します。

 

 解毒機能

   薬物や食物に含まれている体に有害な物質を解毒・分解して処理します。

   このうち、解毒機能がアルコールの分解に関わる機能です。

   アルコールの分解過程で生じる有害なアセトアルデヒドを酸化させることで無害な酢酸に変え、

   体外に排出します。

お酒を飲むとなぜ酔うの?

酔いのメカニズム

 血中濃度(%)酒量酔いの状態脳への影響
爽快期0.02〜0.04ビール<大びん>
(〜1本)
日本酒(〜1合)
ウイスキー・シングル
(〜2杯)
ビールビン
さわやかな気分になる
皮膚が赤くなる
陽気になる
判断力が少しにぶる

爽快期の様子
脳の図
網様体が麻痺すると、理性をつかさどる大脳新皮質の活動が低下し、抑えられていた大脳辺縁系(本能や感情をつかさどる)の活動が活発になる。
アルコールによる脳への影響




0.05〜0.10

ビール(1〜2本)
日本酒(1〜2合)
ウイスキー・シングル
(3杯)

ビールビンビールビン
ほろ酔い気分になる
手の動きが活発になる
抑制がとれる
(理性が失われる)
体温が上がる
脈が速くなる
ほろ酔い期の様子



0.11〜0.15ビール(3本)
日本酒(3合)
ウイスキー・ダブル
(3杯)
とっくりとっくり
とっくり
気が大きくなる
大声でがなりたてる
怒りっぽくなる
立てばふらつく
酩酊初期の様子


0.16〜0.30ビール(4〜6本)
日本酒(4〜6合)
ウイスキー・ダブル
(5杯)

ウイスキーグラス ウイスキーグラス
ウイスキーグラス ウイスキーグラス ウイスキーグラス
千鳥足になる
何度も同じことをしゃべる
呼吸が速くなる
吐き気・おう吐がおこる
酩酊期の様子
小脳まで麻痺が広がると、運動失調(千鳥足)状態になる。
アルコールによる脳への影響2


0.31〜0.40ビール(7〜10本)
日本酒(7合〜1升)
ウイスキー・ボトル
(1本)

ウイスキーボトル
まともに立てない
意識がはっきりしない
言語がめちゃめちゃになる

泥酔期の様子
海馬(記憶の中枢)が麻痺すると、今やっていること、起きていることを記憶できない(ブラックアウト)状態になる。
アルコールによる脳への影響3


0.41〜0.50ビール(10本以上)
日本酒(1升以上)
ウイスキー・ボトル
(1本以上)

日本酒
ゆり動かしても起きない
大小便はたれ流しになる
呼吸はゆっくりと深い
死亡
昏睡期の様子
麻痺が脳全体に広がると、呼吸中枢(延髄)も危ない状態となり、死にいたる。
アルコールによる脳への影響4

アルコールの代謝には時間がかかります
 
エチルアルコールアルコールは肝臓以外の器官からもわずかながら代謝されます。
汗汗として
尿尿として
呼気そして、肺から呼気として排出されます。
呼気警察の飲酒検問では、この呼気中のアルコール濃度を調べて、酔いの程度を判定しています。
排出これら、汗、尿、呼気から排出されるのは、全体の2%〜10%に過ぎません。
肝臓ほとんどのアルコールは肝臓で1時間に9ml〜12mlずつ代謝されます。アルコールの代謝には時間がかかるのです。

飲酒による症状

                                                  

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