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 発熱恐怖症

  

発熱恐怖症とは?

体温計で測定して熱があると、途端にへなへな弱ってしまう人がいます。

普段は粋がっているのに、熱があると、弱気になってしまうのです。

また、子どもに熱があると、慌てふためく母親がいます。

パニックを起こします。

 

これは熱に対する無知から生じたものです。

一種の発熱恐怖症で、クモ恐怖症、高所恐怖症、対人恐怖症と同じ類です。

でも、この恐怖症は他の恐怖症と違って、

きちんと発熱のメカニズムを理解していただけたら、すぐに解消してしまうものです。

発熱はなぜ起こる?

発熱はどのようにして起こるのでしょうか?

一般的に多い風邪やインフルエンザといった感染症のことを考えましょう。

これらのウィルスに感染すると、身体の免疫系の働きを促進するために、

熱を出すことによって、身体を守ってくれているのです。

発熱は感染の指標であり、悪いことではありません。身体にいいことなのです。

この発熱で折角ウィルスと闘っているときに、解熱剤で下げるのは、

背後から味方の兵士を銃撃しているのと同じです。

ですから、熱が下がったのに、一向に体調の優れない人が多いのも、感染が治癒していない証拠です。

人為的に熱だけを下げているからです。

また、疫学的手法で子どもの感染症とガンの罹患数の推移を見ている研究者によると、

感染症を薬で抑えた結果、子どものガンが増えていることが指摘されています。

むやみに薬を使うと大変危険です。

子供の発熱には?

子どもの場合、まだ脳の視床下部にある体温調節中枢が未発達のため、

簡単に高熱を出す場合がありますが、

23日放っておけばたいてい治ります。

発熱の原因はさまざまですが、急な発熱の多くはウイルスや細菌による感染症です。

平常の体温(平熱)は脳が決めていますが、感染症のときはその設定が高温に切り替わります。

体温を上げたほうが、ウイルスや細菌の増殖が抑えられ、

白血球(ウイルスや細菌と闘う細胞)の働きが強くなるなど、

感染症と闘いやすくなるからです。

つまり、発熱は体の防御反応の一つであり、

感染症の子どもにとっては味方ともいえるものなのです。

また、感染症に伴う熱で、『後遺症が残ること』はありません。

髄膜炎や脳炎などの中枢神経感染症では、脳に後遺症を残す可能性がありますが、

その犯人はウイルスや細菌です。

高熱は単なる症状にすぎません。

高熱で脳が焼けたり溶けたりするわけではないのです。

発熱自体は怖いものではありません。

大切なのは、熱の高さよりも、子どもの全身状態です。

高熱だが活気があってご機嫌の場合より、

微熱だがグッタリして不機嫌な場合の方が重症です。

全身状態が良くない場合、早めの受診が必要になります。

熱の高い低いに一喜一憂せず、全身状態をしっかりみて、発熱と上手につきあってください。

 

子供の風邪よりもお母さんの発熱恐怖症の方が重症な場合が多いのです。

お母さんが焦って慌てたりして子供に不安を与えるのは禁物です!

心配ならば専門医の診察を受けるとよいでしょう。

いずれにしても、風邪やインフルエンザなどのウィルス感染症は免疫力を高めるといい結果が出ます。

早く感染症を治癒したければ、安静にして免疫力を高めるとよいでしょう。

不明熱とは?

現代では、不明熱というのも大きな問題となっています。

高温が続くのですが、原因が不明というものです。

これは現代生活が冷房完備で汗をかく必要がなくなったため、

汗腺が不要となり、機能しなくなったことが原因であると言われています。

つまり、気温が高くなって、体温を下げようと視床下部の体温調節中枢が働いても、

身体の本来の機能を失ってしまい、末端の汗腺が働かなくなっているので、

汗を出して気化熱で皮膚表面の熱を下げることができないのです。

こうした不明熱には運動療法を行い、再び汗腺の働きを取り戻す必要があります。

                                                  

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