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 胃のしくみ

  

口から摂取された食べ物は歯で噛み砕かれ、食道を通って噴門から胃に運ばれます。

胃とは、食べたものの貯蔵、消化、殺菌をするところです。

実は、日本人は、胃が弱っている方が多いのですよね・・・。

アナタも胃痛などの経験は一度はありませんか?

胃のつくり

胃は食道に続く嚢状の器官で、ひらがなの「し」を左右対称にしたような形で袋状になっています。

但し、内容物の多少や胃壁の緊張度によっていろいろな形に変化しているのです。

みぞおちの左側、左の肋骨で囲まれたあたりにあります。

(みぞおちの左半分の場所に胃の約2/3が位置します。)

 

 

空腹時はぺちゃんこですが、食べものが入ってくると風船のように大きくなって下がります。

容量は1.2〜1.6リットルですが、食べ物が入ると約2Lまで膨れます。

幽門狭窄があると、胃は拡張します。

胃の名称

胃の入口(胃と食道の境)・・・・・噴門(ふんもん)

噴門より上方の部分・・・・・胃底部

胃の中央部分・・・・・胃体部

胃の出口(胃と十二指腸の境)・・・・・幽門(ゆうもん)前庭部、幽門

とよばれる部位で構成されています。

胃の左または外側の彎曲を大彎といい、胃の右または内側の彎曲を小彎といいます。

胃の構造は内から外へ粘膜、筋層、奨膜の3層からなります。

粘膜は多数の胃腺を形成して、胃液を分泌します。

 

<逆流防止機能>

胃には食べ物が逆流しないようにいくつかの防止機構が備わっています。

1、食物を運ぶ筋肉の運動(ぜん動運動)やそら豆のような形もそのひとつです。

2、噴門・幽門は普段は閉じていて、食物が出入りする時だけ開くことで逆流を防止する仕組みになっています。

胃のはたらき

胃の働きはおもに次の4つです。

胃は、食道から入ってくる食べ物を一時ためて、混ぜ合わせ、消化、吸収し十二指腸に排出します。

◆食べたものを一時的に蓄える◆

食べ物を十二指腸での消化の進み具合にあわせて貯蔵する働きがあります。

食後10分ごろから胃の内容物は十二指腸に送られ始め、

23時間で80%、36時間ですべて十二指腸へ移送されます。

胃内容の移送は、自律神経反射とホルモンとによって調節されています。

三大栄養素の中でも糖質などでんぷん性のものは最も早く移送され、

炭水化物なら23時間、肉などのタンパク質はその2倍かかり4時間近く、

脂肪は胃の運動を抑制するので最もゆっくり通過し時間がかかります。

脂肪の多い食品を食べると、胃にもたれた感じがするのはこのせいなのですね。

そして、寝る時には胃の中を空っぽにしないといけません。

なので、寝る前には物を食べない様にしましょう。

水分はほとんどそのまま胃から十二指腸へ流れこみます。

 

 

◆食べたものと胃酸を混ぜ合わせる◆

胃酸とペプシンを分泌し食べ物と胃の消化液を混ぜ合わせる。

◆食べたものの一部を消化◆

同時に胃のぜん動運動によってこなされ、吸収しやすいドロドロの粥状にして、

粥状になった食べものは、徐々に十二指腸へ運ばれる。

◆食べたものを殺菌と腐敗の防止◆

食べたものに混入しているバクテリアを、胃酸が殺菌する。

また、摂取したアルコールや薬物の一部は、胃の粘膜から直接、吸収されます。

食物と一緒に入り込んだ細菌を胃酸で殺菌したり、身体にとって悪い物質を嘔吐して出す働きももっています。

胃液には、塩酸、消化酵素、粘液が主で、塩酸はpH1.0-2.5という強い酸性です。

通常では胃酸で胃が障害されない理由は、粘液により胃の粘膜がバリアーされているからです。

粘液の作用が弱くなったりすると酸によって胃の粘膜が消化されて胃潰瘍(いかいよう)になったりします。

消化のしくみ

胃液の成分と働き

胃液は一回の食事で約500700ml分泌されます。

1日の分泌量は約15002500mlpH1015強酸性です。

胃液の成分

房細胞からでる塩酸HCI)、

主細胞からでるタンパク質分解酵素(ペプシン)

そのほか凝乳酵素(レンニン)、脂肪消化酵素〈リパーゼ)、粘液および各種の電解質など。

ペプシンは、はじめ非活性化された形のペプシノーゲンとして分泌され

塩酸の働きでペプシンにかわります。

胃酸分泌を命令する物質

ガストリン・ヒスタミン・アセチルコリン

これらの体内物質が胃酸の分泌を促進します。

(胃酸を出す命令を胃に行います)

 

消化液

分泌部位

消化液の種類

働き

ペプシン

たんぱく質を分解

塩酸

ペプシンの働きを助ける

十二指腸

アミラーゼ

デンプンを分解

トリプシン

たんぱく質を分解

リパーゼ・胆汁酸

脂肪を分解

 
 

なぜ、胃は溶けないの?

胃酸をビーカーに入れて亜鉛を落とすと、激しい泡を立てながら溶け始めます。

胃酸は、動物の胃の一部を入れると、

数時間後にはボロボロになって溶けてしまうほどの強い酸性の液体です。

私たちの胃もたんぱく質でできているのですから、これほど強い酸性の液体とペプシンの攻撃を受ければ、

同じようにボロボロに溶けてしまっても不思議ではありません。

ところが、胃は溶けるどころか、どんな食べものが入ってきても見事に消化して、死ぬまで働き続けてくれます。

 

なぜ、胃は食べものを溶かして胃自体を溶かさないのでしょう。

それは、胃の粘膜をおおうように分泌する粘液のおかげです。

 

食べものが胃に入って胃液が分泌されると同時に、

粘液細胞からは多量の粘液が分泌され、胃液から胃壁を守るバリアを張り巡らせます。

粘液はまるで細かいネットのように消化液をからめとり、胃壁に直接触れないように保護してくれるのです。

こうして、胃壁に接するあたりでは酸性から中性になり、胃壁は消化されることから免れるわけです。

また、血液の循環も、粘液を十分に分泌させるために欠かせない要素です。

血液循環が悪くなったり、血液が酸素不足に陥ると・・・

粘液細胞は栄養不足になって働きが悪くなってしまいます。

 

 

胃とは、つねに胃粘膜を荒らそうとしている「攻撃因子」と、胃粘膜を守る「防御因子」

のバランスの上に成り立っている微妙な臓器だということができます。

 

 

ピロリ菌って?

胃のダメージ2つのパターン

仕事や人間関係で悩むと、きまって胃がキリキリ痛んだり、もたれたり、といった経験はないでしょうか。

胃は顔の次に感情が出やすい部分です。

緊張や不安、恐怖、イライラなどが胃の機能を阻害し、

しまいには胃潰瘍など深刻な病気を招く事も多くあります!

なんだか胃の調子がおかしい・・・

そう思って消化器内科を受診し、内視鏡検査をしたところ、診断結果は「粘膜などは異常なし」。

こんな症状を、「NUD」と呼びます。「潰瘍のない消化不良症」という意味です。

ストレスがたまると、胃のぜん動運動が弱まったり、

胃液や粘液の分泌量に異変があらわれたりすることがあります。

その結果、潰瘍もないのに胃もたれ、膨満感、むかつき、胸焼けといった症状があらわれるのです。

そもそも胃は、自律神経の影響を大きく受けています。

自律神経とは、内臓、血管、ホルモン、神経、免疫力などの働きをコントロールし、体内の環境を整える神経。

緊張するとはたらく交感神経と、リラックス時にはたらく副交感神経に分かれています。

ちょうど、「オン」と「オフ」のスイッチのようなものです。

二つは交互にはたらき、バランスを保っています。

ところが、ストレス状態が続くと交感神経もしくは副交感神経の

どちらか一方だけが過剰に働いている状態になるため、ついにはスイッチが壊れてしまいます。

その結果、胃にも深刻なダメージが与えられるのです。

ダメージのパターンには、おもに次の 2 つがあります。

ダメージ1 胃もたれ型

ストレスにより、自律神経が必要以上に刺激されると、交感神経の機能が活発に動きます。

すると、血圧や心拍数が上昇。血行が促進される一方で、皮膚や内臓器官への血管が収縮します。

その結果、胃の蠕動運動が鈍くなり、胃液の分泌も減少してしまいます。

さらに、胃壁の粘膜に血液が行き渡らず、粘膜そのものが弱くなります。

おかげで、食べたものを消化できないばかりか、胃壁も荒れ放題。

胃もたれ、膨満感といった症状が出るようになります。

精神的なストレス

自律神経の交感神経が刺激を受ける

胃の粘膜に血液が行き渡らなくなる

血行が促進される一方で、皮膚や内臓器官への血管が収縮

胃の蠕動運動が鈍くなり、胃液の分泌が減少

胃壁の粘膜に血液が行き渡らず、弱くなる

胃もたれ、膨満感などの症状があらわれる

 

 

ダメージ2 胸焼け型

副交感神経が刺激を受けると、胃酸の分泌が増加します。

なにしろ胃酸のパワーは強力そのもの。分厚い肉片も溶かしてしまうほどです。

胃酸が出すぎたあげく、胃壁が荒らされ、胃の中の細い血管が傷つけられてしまいます。

その結果、胸焼けや胃痛に悩まされるようになります。

精神的なストレス

自律神経の副交感神経が刺激を受ける

胃酸の分泌を高めてしまう

胃壁を荒らす

胸焼け・胃痛などの症状が現れる

悪化すると粘膜がただれ、胃潰瘍や十二指腸潰瘍といった深刻な病気に発展してしまう。

胃の健康チェック法

胃の内部は皮膚とは違い痛みを感じる神経がまばらにしかないので、

少々の胃の痛みは感じる事が出来ない事があります。

だからこそ胃が不健康であるというシグナルには十分注意しましょう。

「口」

・唇の荒れ、乾燥は、胃が熱を持ち、水分が不足している表われといわれています。

・口の回りの出来物は、糖分の摂り過ぎで胃の粘膜が荒れているためといわれています。

・口角のただれは、夜遅くの飲食や間食など胃の疲れが原因といわれています。

「舌」

・舌の色が白いのは、冷たいものを摂り過ぎて消化不良を起こしているといわれています。

・舌の色が黄色い場合は、胃に熱を持っています。刺激物の摂り過ぎで胃酸過多の危険性があります。

「胃の症状は左側に出る」

・左手の親指と人差し指の付け根の部分(合谷)を押して痛みのある人は、胃になんらかの支障があるサインです。

・左足の裏、親指の付け根『胃の反射区』と呼ばれる部分を押してみて痛ければ胃が弱っている証拠です。

代表的な胃の病気

 

◎急性胃炎

一時的に起こる胃炎。食後の胃もたれ、吐き気などを訴えます。

これらの症状は2、3日で治まるが、食欲不振や疲労感が残る。

アルコールの飲みすぎ、薬物の内服、ストレスなどが原因で胃粘膜に炎症が生じたもの。

[対策]

まずは絶食と安静。病状が軽くなれば流動食からはじめます。

急性胃粘膜病変(AGML

(急性胃炎という言葉はあまり用いられない)

◎慢性胃炎(慢性胃カタル)

症状が長く続いたり、頻繁に繰り返す胃炎。

上腹部の不快感やもたれ、食後の吐き気のほか、食欲不振も見られることが多い。

また、無症状のこともあるので注意が必要。

日本人の多くは「萎縮性胃炎」と言われ、胃粘膜が長年炎症を繰り返すうちに、しだいに薄くなってしまうものです。

[対策]

過酸型:胃を空っぽにしないように。刺激物は控え、味付けも薄味に。

低酸型(萎縮性):蛋白質や脂肪の取りすぎに注意。

スープ類(胃液分泌を高める)や少量の香辛料(食欲を促す)をうまく用いる。

胃腺の萎縮と粘膜の変性など萎縮性胃炎が主な病変となる。

◎胃・十二指腸潰瘍

症状は、胃の痛みやもたれ、胸焼け、げっぷ、食欲不振、嘔吐、吐血、下血など。

「胃壁を保護する作用」と胃酸やストレス、ピロリ菌などの「胃壁に障害を与える要因」とのバランスが崩れたためと言われる。

[対策]

栄養価の高い消化のよいもので、胃粘膜を強める。

牛乳は粘膜を保護するので空腹時の痛む時などに摂るとよい。

酒・タバコは禁物、香辛料などの刺激物もほどほどに。

手術した人は、小容量で高エネルギー、良質の蛋白質をとる。

胃や十二指腸の攻撃因子と防御因子のバランスが崩れ、攻撃因子が優位になることで粘膜下層より深く胃・十二指腸の壁が欠損した状態。

◎胃酸過多症

胸焼け、すっぱい水が上がる。

空腹時の痛み、げっぷなどを訴える。

慢性胃炎や胃・十二指腸潰瘍と共に起こることが多いが、精神過労、睡眠不足などが原因となることもある。

◎無酸症

下痢やみぞおちの張り、不快感などを訴える。

慢性胃炎などと共に起こることが多い。

また、体力の消耗、その他種々の病気でも起こることがある。

◎胃アトニー症

胃部膨満感や圧迫感を訴える。

痛み、げっぷ、胃がポチャポチャする(胃内停水)などの症状も見られる。

胃の緊張(胃袋の弾力)が低下した状態で、胃の運動が弱いために起こる。

[対策]

低酸型の慢性胃炎と同様、自分の胃の働きに応じた食事量を考える。

◎急性腸炎

急性胃炎を伴うことが多い。

胃の症状の後腹痛、下痢、しぶり腹などを訴える。

3歳以上の幼児や学童に多い。食あたりや細菌の感染、風邪などが原因となる。

◎慢性腸炎

数週間から数ヶ月にわたって、下痢または便通以上の症状を訴える。

急性腸炎を繰り返して慢性化したり、精神性のもの、アレルギー性のものなどがある。

◎メネトリエール(Menetrier)病

粘膜壁が肥厚し、胃炎の症状とともに蛋白漏出性胃腸症を起こす。

◎胃ポリープ

胃粘膜の限局した隆起性病変。良性。

◎胃癌

腺癌が多い。日本人で一番多いガンです。

◎胃肉腫

胃におこる非上皮性の悪性腫瘍で、悪性リンパ腫や平滑筋肉腫など。

胃が弱っている人のケア5か条

1、食事の時は、床に座らずなるべく椅子に座り、背筋を伸ばして食べるようにしましょう。

2、焦って詰め込まずゆっくりとよく噛んで食べて満腹にしないようにしましょう。

3、極端に熱い物や冷たい物は避けましょう。

  急激な温度変化は、胃を収縮させ蠕動運動のリズムを乱してしまいます。

4、食後すぐ寝転ぶのは逆流の恐れがあるので基本的には良くありません。

  但し、右側臥位で寝るのは胃の出口が下を向くので良いです。

5、胃を丈夫にするには、大腿の内側広筋を鍛えましょう。

  屈伸運動や椅子に座って足を交互に伸ばすなども良いです。

胃にやさしい食事

胃は、繊細でありながら、驚くほどタフな臓器です。

それに、自分で自分を消化してしまうという危険性を常にはらみながら、

すばらしい修復力を発揮してくれる臓器でもあります。

「胃の不快感は現代人の宿命」とあきらめて不規則な生活を続けていれば、

単なる胃炎から胃潰瘍へ、そしてがんの発生という経過をたどることにもなりかねません。

 

薬は傷を治す事は出来ても、原因を取り除く事は出来ないのですから、

生活のあらゆる面での見直しをはかって、ストレスに負けない丈夫な胃を作りましょう。

○ 朝食抜きは禁物 ○

規則的に食べよう。

胃は一定のリズムで活動をしていますので、朝食や昼食を抜いたりすると、

蠕動運動や胃液の分泌に変調をきたしてきます。

特に、胃粘膜の防御因子が弱くなっている所に食事を抜くと、

胃の中が空っぽになって自己消化が起こってくる事もあります。

胃のリズムを乱さないように、規則正しく食べるようにしましょう。

○ 消化のよい料理を食べよう ○

消化がよいということは、胃の中に食べものがとどまる時間が短いということですから、

それだけ、胃にかかる負担が小さくなります。

食材の選び方や調理法に配慮して、胃にやさしい食生活を心がけましょう。

ただし、いくら消化がよいものでも、かまずに飲み込んだのでは、かえって逆効果です。

○ お酒、たばこ ○

刺激物は胃の大敵。

アルコールが胃の粘膜をむき出しにして、それに加えて胃液の分泌を高める事も分かっています。

まさに、ダブルパンチというわけです。

また、たばこは血行を悪くして粘膜の防御因子を弱くします。

コーヒーや炭酸飲料、香辛料なども胃に刺激を与えます。

とくに、お酒を飲みながらたばこを吸うという行為は絶対にやめましょう。

○ 胃の機能を高めるビタミンをとろう ○

胃の粘膜細胞の代謝を促し、粘液の分泌を活発にする働きを持つのがビタミンAです。

また、ビタミンCにはストレスに対抗する作用があり、Eには胃壁の血流量 を多くする働 きがあります。

これらのビタミンの相乗作用で、胃粘膜を丈夫にしましょう。

 

 

 

胃の疾患別の食事

                                                  

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