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 肝硬変

  

肝硬変とは?

アルコール性肝炎、慢性肝炎、脂肪肝などが原因で起こります。

肝硬変の患者の数は約20万人と推定されており、

年間約16,000人の死亡があるといわれています。

約3:1の割合で男性に多く、

年齢的には40~60代に1つのピークがあります。

 

肝硬変は、種々の原因で起こった慢性進行性の肝障害の終末期の状態で、

不可逆的に進行性の経過をたどり、最終的には死に至るものです。

 

肝細胞は再生力が強く、一部がダメージを受けても新しい細胞が生まれてきます。

しかし、肝炎や脂肪肝やアルコール性肝障害などが進行して、

長期にわたり患うと、肝細胞は再生、壊死を繰り返します。

再生能力の高い肝臓とはいえ限界が訪れます。

そして、それを長年繰り返す事で再生する一方で傷跡の様なものが出来て、

肝細胞の障害が強くそれに続いて起こる炎症反応が長時間持続します。

ケガをして傷をつけてしまった場合、カサブタが出来て固くなってしまいますね。

肝臓も、その様な状態になってしまうのです。

線維化が肝臓全体に及んでしまい、肝臓が硬くなってしまう事を肝硬変と言います。(肝萎縮)

肝臓の中に徐々に線維が増えて固くなり、

見た目にもゴツゴツとしたこぶだらけの肝臓になります。

文字の通りに、肝臓が硬くなって肝機能が低下した状態なのです。

肝硬変は、慢性的な肝障害の末期的な症状で、

肝臓の血液循環に異常が生じ、肝臓の機能が働かなくなる病気です。

残存した肝細胞の強い再生とあわさって肝臓内に結節を形成します。

この結節が肝臓内部の静脈を中心とする血管系を圧迫して、肝臓の血行を大きく障害します。

これによって門脈圧の亢進、肝血流の減少などが起こり、

これらの事がさらに肝細胞の障害を増悪させるという悪循環が起こるのです。

アルコール性肝炎、慢性肝炎、脂肪肝などが原因で起こります。

肝臓は生きる上で非常に重要な役割を果たす器官であり、

ここの機能が阻害されると多くの症状と合併症を引き起こします。

肝臓には、痛みを感じる神経がほとんど存在しない為、

肝臓の病気を発症しても痛みを感じない場合が多く、

肝硬変の症状も初期はなかなか出てきません。

その為、自覚が遅れて病気が悪化すると手遅れになり命に関わる恐れが多くあります。

最初は自覚症状が少ないですが、進行するにつれて様々な症状が現れます。

 

肝硬変 市町村別死亡数

肝硬変の原因

お酒を飲みすぎると肝硬変になると言われています。

しかし、日本ではアルコールだけが原因で肝硬変になる人は意外と少なく、

全体の10%ぐらいだといわれています。

肝硬変の原因としては、

C型肝炎ウイルスによる慢性肝炎(65%)、アルコールによる慢性肝炎(13%

B型肝炎ウイルスによる慢性肝炎(12%)、の順に多くみられます。

中でもBC型ウィルス性肝炎が慢性化し、

完治しない状況が続いて肝硬変へと移行するケースが多いです。

また、脂肪肝、薬剤性肝障害、寄生虫疾患によるものなどがあります。

その他の原因による肝硬変は特殊型肝硬変として一括され、

この中には先天性代謝異常症やうっ血性心不全によるもの、

または稀に自己免疫疾患の原発性胆汁性肝硬変やヘモクロマトーシスなどがあります。

 

肝硬変の症状

肝硬変といっても、全ての人に症状があるわけではありません。

初期の頃にはほとんど症状はありません。

肝硬変のほとんどが無症状なので、健康診断で偶然発見されることもあります。

それは、肝臓には「代償能」という機能があり、

肝臓の一部に障害が起こっても、残りの部分がそれをカバーして働くためです。

しかし、その機能にも限界があり肝硬変の病状の進行とともに様々な症状がでてきます。

ほとんどの場合、無症状が続いて気付かないのです。

機能が正常な状態の1/3程度まで働かなくなった辺りで、ようやく症状が出てくる事が多いのです。

肝硬変は症状の有無により2種類あります。

肝臓は一部で障害があっても周りがカバー(代謝)して正常に機能しますが、

症状が進むと代謝にも限界があるのでカバーしきれなくなる事で様々な症状を引き起こすのです。

初期の状態で自覚症状も無く肝臓が通常通り働いている場合

「代償性肝硬変」

 

症状が進行して腹水・黄疸・意識障害を起こしている状態

「非代償肝硬変」

肝硬変の初期、まだ肝機能が死んでいない場合は・・・

全身倦怠感、疲れやすい、疲労感、無気力、食欲不振、アルコールに弱くなる

などの漠然とした症状で始まり、気付かない場合や自覚症状がない場合も多くあります。

そして、腹部の膨満感、鼓腸(腸にガスがたまる)、吐き気と言った症状が始まります。

腹の張るような感じ、微熱、腹痛などを訴えることもあります。

そして肝機能も落ち肝硬変が進行すると、非代償期という肝機能の障害の強い時期になります。

悪化すると腹水や黄疸などの様々な他覚症状が現れますが、これが非代償期に入ったサインです。

お腹がなんとなく膨らんできて、鏡の前に立ち、横からみて下腹部が異常にとび出していたり、

あお向けの状態で腹のふくらみが横へ広がるようだったら、

腹のなかに水(腹水)がたまっているかもしれません。

(単なる脂肪だけなら、腹の皮を厚くつまめます。)

この辺りの症状が出た場合は、相当病気が進んだ証拠ですので

診察を受けていない人はすぐに病院へ行く事をオススメします。

病状が進むにつれて肝硬変の患者の身体に現われる特有の症状としては、

くも状血管腫と手掌紅斑があります。

これらは病気のない方にもそれぞれ単独で出ることもありますが、

この両者が同時に出る場合は肝硬変の可能性が高いとされています。

その他、非代償期になると次のような症状が出現してきます。

症状が現れる場合は・・・

皮膚色素沈着(症状が進行するにつれ、皮膚がメラニン色素増加の為に『どす黒く』なります。)、

全身倦怠感、食欲不振、発熱、腹部膨満、出血、貧血などです。

浮腫・足のこむら返りが起こりやすいなどの症状も要注意です。

肝硬変の症状が重症となった進行例では・・・

黄疸や腹水、食道静脈瘤、アンモニア臭様の口臭、意識障害などが現れます。

食道や胃の静脈瘤が破れ破裂して出血すると、

大量の血を吐いたり(吐血)、コールタールのような便になったり(下血)、

いずれにしても大量の出血を引き起こす危険性があります。

さらに病状が進むと・・・

手の震え、意識障害や昏睡状態(肝性昏睡)などの精神・神経症状も出てきます。

吐血や精神症状・昏睡を示すようになったら非常に危険な状態といえます。

肝硬変の検査・診断

肝硬変の合併症

肝硬変の治療

肝硬変の予防

                                                  

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