日本人の半分が不眠症 「春眠暁を覚えず」…朝、いつまでも布団の中でまどろんでいたいというのが多くの人の気持ちだろう。 睡眠は心身を休ませるために欠かせないもの。深い睡眠中には「成長ホルモン」と呼ばれる物質が分泌される。成長ホルモンは子供の成長だけでなく大人でも肌や血液の新陳代謝を高め、細胞の修復を助けている大切な物質だ。さらに、白血球などの免疫システムも睡眠時に活性化することがわかっている。 全体的に見て、あなたはよく眠れていると思いますか? |
このように、私たちの体にとって大切な睡眠。私たちは実際によく眠れているのだろうか? 日本人の睡眠の質を調べる大規模なアンケート調査の結果が、日本睡眠学会で発表された(実施2002年3月/集計採用10,424件)。 まず、「全体的に見て、あなたはよく眠れていると思いますか?」という質問に対し「はい」と答えた人が全体の約8割、「いいえ」と答えた人が約2割だった。
しかし、さらに細かく質問していくと、全体的な睡眠の質について「満足している」と答えた人が43.4%で、実際は半数以上の人が睡眠に対して何らかの不満をもっているということがわかった。また、総睡眠時間に対して「十分である」と答えた人は34.4%。残りの約65%の人は「足りない」と感じている。 ■全体的な睡眠の質 | ■総睡眠時間 | | |
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睡眠時間の時系列変化 | | | 日本人の睡眠時間が年々減少していることは、NHKが5年ごとに行っている「国民生活調査」からもうかがえる。2000年の平日の平均睡眠時間は7時間23分。調査開始以来40年間で50分も短くなっている。
また同睡眠実態調査では「アテネ不眠尺度」という睡眠のトラブルに関する自己評価も行っている。その結果、「不眠症の疑いが少しある」と「不眠症の疑い」を合わせると全体の49.4%を占めていた。「全体的に見て、あなたはよく眠れていると思いますか?」という質問で「いいえ」と答えた人が2割程度しかいなかったことを考え合わせると、多くの人が不眠や睡眠障害に対して無自覚であることがわかる。 |
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