睡眠の目的 睡眠は身体の休息はもちろん、脳が休息するための大切な時間です。 身体の疲れは横になって身体を休めるだけでもある程度回復できますが、意識や知能、記憶など知的活動を行う大脳は起きている限り休息することは不可能です。睡眠は脳を深く眠らせて、精神的な疲労を回復する大切な営みなのです。 また、昔から「寝る子は育つ」といいますが、脳が深い眠りに入ると成長ホルモンが分泌されることもわかっています。この成長ホルモンは細胞の新陳代謝を促して、皮膚や筋肉、骨などを成長させたり、日中の活動で傷ついた筋肉や内臓などを効率よく修復する働きがあります。 いってみれば、睡眠は身体と脳の再生工場のようなもの。私たちは、心と身体の健康を保つために眠る必要があるのです。 |
睡眠のことについて知るには、まず何よりも、睡眠の目的を理解しておくことが大切です。ここでは、睡眠の目的について解説いたします。
通常、人間は、一日の4分の1から3分の1もの時間を睡眠に費やしています。これほどの時間をかけるものですから、睡眠には非常に重要な目的があることは容易に想像できます。 1.脳を休めること 日中、私たちの脳は、たくさんのエネルギーを消費しながら膨大な仕事をこなしていますが、脳を酷使すると、集中力や記憶力が低下したり、イライラするなどの現象が現れてきます。 そこで、脳に休息を与え、以後の活動のためのエネルギーを蓄えることが必要となって、睡眠をとることになります。身体の疲れは横になることである程度とることができますが、脳の疲れは睡眠によってしか解消することができません。 2.体を休めること 筋肉をリラックスさせることで休息を与えるとともに、疲労物質である乳酸を処理します。 身体の疲れをとるには、ゆっくりとした睡眠が一番です。 3.自律神経を休めること 交感神経と副交感神経からなる自律神経に休息を与え、調子を整えます。 4.細胞を新しくすること 睡眠中には、「成長ホルモン」 などが分泌されます。成長ホルモンは、子供の時には主に骨や筋肉などの発育に必要なものです。「寝る子は育つ」ということわざには、科学的な根拠があるのです。大人になってからは、体の機能修復に対して大きな役割があります。成長ホルモンが新しい細胞を作り、皮膚を活き活きとさせるのです。
質のよい睡眠が得られると、上記1.〜4.の目的をよりよい状態で果たすことができます。 もし、現時点で、睡眠にあまり満足感がないのでしたら、積極的に工夫することで、よりよい睡眠が得られるようにしてみて下さい。少し工夫するだけで、 睡眠の質が大きく改善することも十分考えられることです。 |