<注意>  最大化画面にてご覧下さい。

  

代表的な病気の解説

  

胆石症

胆嚢の病気のなかで一番ポピュラーなのは胆石症です。

60年前に比べて、患者人口は約5倍に増加中という「胆石症」。

実際、私たち日本人の15%は胆石を持っています。

 

1979年には390万人であったのが年々増加し,1993年には1,000万人を超えました。

その症状は激しく、時に七転八倒の痛みを味わう時もあるといいます。

胆石を持っている人でも5人に1人は無症状で、検査をして初めて見つかることも少なくありません。

日本では、毎年約20万人の胆石症の患者が胆嚢の摘出手術を受けておられます。

 

胆石は、以前から7Fに多いといわれています。

美しく (Fair)、肥えて (Fertile)、脂肪が多く (Fat)、ポチャっとして (Flabby)

お腹が大きい (Flatulent)40歳前後 (Forty) 、女性 (Female)

胆石症とは?

胆石とは、肝臓から分泌される胆汁が固まって結石になり、

胆のうや胆管などに溜まってしまうものの総称です。

胆石ができる場所によって名称が変わり、

胆管にできるものは胆管結石、胆のうにできるものが胆のう結石

そして肝臓内にできるものは肝内結石と呼ばれます。

主に胆石とは胆管結石と胆のう結石のことを指します。

胆石によって引き起こされる病気を総称して『胆石症』といいます。

 

コレステロール系の結石は、肥満や過食、バランスの悪い食生活、ストレス

などの生活習慣が影響しているといわれています。

また、日本人の15〜29%は胆石を保有しているのではないかと推測されています。

しかし約9割の患者さんは、胆嚢にだけ結石が存在する胆嚢結石症例です。

最近の食生活の欧米化に伴い、コレステロール石による胆嚢結石症が増加しつつあります。

胆石症の種類

胆石は、その構成成分によってコレステロール石、ビリルビンカルシウム石、黒色石に大きく分けられます。

コレステロール石

本来、コレステロールは水には溶けない性質をもっていますが、

胆汁のなかの胆汁酸によって水に溶けるように変化します(ミセル化)。

しかし、コレステロールが増加したり、逆に胆汁酸が減少すると、

コレステロールが胆汁中で結晶化してコレステロール石ができてしまいます。

肥満、年齢(加齢)、性別(女性)、食生活(高脂肪食)、

遺伝的素因(胆石家系)、妊娠、経口避妊薬が危険因子とされています。

ビリルビンカルシウム石

一方、ビリルビンカルシウム石は、細菌がもっている酵素により胆汁中のビリルビンが遊離し、

カルシウムと結合して形成されると考えられています。

高齢者では、十二指腸から細菌が胆管内へ侵入しやすくなっているため、

胆管内にビリルビンカルシウム石が多くみられます。

黒色石

黒色石の成因の詳細は不明ですが、現在のところ、

ビリルビン分子の複数個が互いに結合してできるビリルビンの重合体との説が有力です。

高齢、溶血性(ようけつせい)貧血、肝硬変、胃切除術後、

心臓弁置換術後などが危険因子とされています。

胆石症の症状

主な症状は、右上腹部痛、発熱、吐気・嘔吐、黄疸です。

しかし胆石を持っていても、silent stoneといわれ8割前後の人はまったく症状がありません。

また腹痛は食後に現れることが多く、とくに生卵や油っこい食品を食べた時に生じやすいです。

なお腹痛は、重苦しい感じや違和感のことが多く、激痛の発作が生じることは稀です。

無症状の胆石症の場合は、急いで治療する必要はありません。

但し、胆石が詰まり、急性炎症を起こした場合には、発熱、黄疸、肝機能障害なども生じ、

急性膵炎や敗血症、感染症などの重篤な状態になることがあります。

 

〃磴靴な痛

俗に癪(シャク)とか、差し込みとか言います。

正式には、胆石疝痛発作と云います。

突然激しい刺す様な痛みが、上腹部のミゾオチ辺り〜右側腹部で起こり、

七転八倒したり、エビの様に体を曲げて痛みをこらえようとします。

同時に冷や汗が出たり、フルエがきたり、黄色い液を吐いたり、

一時的に熱がチョット出たりする事もあります。

痛む場所は、マチマチで必ず右上腹部が痛むという事ではなく、

ミゾオチの中央部で痛むというのが60%位です。

右側で痛むのが30%、左側で痛むのが10%程あるそうです。

また、放散痛といって、右の背中や肩に痛みを感じる例が、60〜70%に認められるそうです。

発熱・黄疸

胆石が胆道系を塞いで、細菌感染を合併する時には、発熱が続いたり

黄疸といって体の色が黄色っぽくなる事があります。

また、便は白っぽくなります。

こういう場合は、ビルビリン胆石の場合によく見られ、胆嚢炎、胆管炎を併発していて危険な場合もあります。

総胆管に落下した結石が原因で急性膵炎という重篤な病気を併発することもあります。

胆石症の検査・診断

診断のためには、まず詳しい症状の聞き取り(問診)や聴診、触診、

必要に応じて血液検査などを行います。

 

血液検査

肝臓や胆道の酵素上昇や胆道感染、胆道がん(腫瘍マーカー)をチェックします。

 

腹部超音波検査

胆石が疑われる時には最初に行います。

おなかにゼリーを塗り超音波を当て、胆石があるかどうか、

またその大きさ、胆嚢の壁の状態などを調べます。

胆嚢結石の98%はこの検査で診断できます。

食事の影響を受けるため、絶食での検査となります。

 

腹部CT検査

腹部内部の断面図の画像を撮影して、

胆石の成分や大きさ、位置、がんの有無、がんが周囲の臓器に広がっていないかなどを調べます。

 

静脈性胆嚢造影検査

造影剤を注射したあとで胆嚢を撮影して、胆嚢の状態(収縮能)をみる検査で、

胆嚢の石を溶かす治療を決定する時に必要となります。

内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)

口から入れた内視鏡を十二指腸まで送り込み、

胆管の出口から造影剤を胆管に流して撮影する検査です。

胆管の状態を詳しく知ることができると同時に、石を取り出す治療として使われます。

胃カメラ

胃カメラをのむ苦痛と検査後に膵炎を起こすことがあります。

経皮経肝胆道造影(PTC)は、皮膚と肝臓に細長い針を刺して、

胆嚢や肝臓のなかの胆管を造影剤で映し出す検査です。

磁気共鳴膵胆管造影(MRCP)

造影剤が不用で、スクの高い場合でも胆管や膵管を映し出すことができる検査です。

苦痛なく行えますが、この設備を備えている医療機関は限られています。

超音波内視鏡検査(EUS)

超音波を発する装置をつけた内視鏡を口から十二指腸まで送り込み、

そこから超音波を当てて胆嚢や胆管を調べる検査です。

腸管ガスなどに邪魔されず、精度の高い鮮明な画像が得られますが、胃カメラをのむ苦痛が伴います。

 

区別すべき病気としては、上腹部痛を起こす胃潰瘍・十二指腸潰瘍、胃腸炎、膵炎、

食道ヘルニア、逆流性食道炎、腎結石、虫垂炎(ちゅうすいえん)、腸閉塞、腹膜炎、

虚血性心疾患(狭心症)、悪性腫瘍として胆嚢がん、胆管がんなどがあります。

胆石症の合併症

肝膿症(肝臓に感染による膿がたまった状態)

 

胆管炎

細菌性胆管炎などがあり、細菌性胆管炎になると細菌が血流によって全身に広がり、

敗血症など死のリスクにさらされます。

 

膵炎

胆石が膵管(膵臓〔すいぞう〕と総胆管を結ぶ管)との合流部を防ぐと、

膵臓の炎症(膵炎)を起こすこともあります。

また、胆のう内にできた大きな胆石が胆のう壁を突き破り、

小腸内に入り込む事によって腸閉塞(胆石性イレウス)を起こす事があり、高齢者に多く見られます。

胆石症の治療

胆石症の手術について(ドクターのお話)

まず、外科医の原則として「良性疾患は切除しない。」というものがあります。

わかりやすくいうと、胆石をもったまま100歳まで元気な患者さんは山ほどおられます。

もし、ある胆石が「近い将来、明らかに患者さんを苦しめる」ことがはっきり判明している場合には、

予防的に手術に踏み切ることはありますが、実際にはあまりありません。

胆石の手術は、外科手術の基本中の基本であり、

そのため教育病院ではベテランの外科医が執刀する機会はほとんどなく、

新人に教育的見地から手術をさせることも多く、

「患者さんが希望しているので・・・」という理由で入院手術というケースを多くみています。

自分の家族であれば、勧めません。

絶対に症状が出ないという保証はなく、

「炎症を起こしたら入院期間が長くなるし、年を取ってから体力が無くなって手術を受けるより・・・」

という理由で積極的に手術に乗り気な人であれば、

(自己責任の世の中ですので)あえて引き留めはしません。

ただし、適応のない手術に限って、まさかと思う医療事故や合併症が起きるものですから、

私は原則をはずさずにいます。

最終的にはそれが患者さんのためだと信じるからです。

胆石症の予防・改善

胆石症は生活習慣の改善によって予防することができます。

暴飲暴食や高脂肪食、早食い、過度の香辛料をひかえた規則正しい食生活を送り、

過労や精神的なストレスを避けて、適度な運動を続けるなどの生活習慣の改善が大切です。

食物繊維を多く含んだ食事をとり、肥満には十分注意してください。

 

胆石は遺伝性もありますが、主にコレステロールの過剰摂取により起こるので、

日常生活の中である程度予防することは可能です。

1. 肉類や脂肪分・コレステロールの多い食べ物を控える

2. 栄養(炭水化物・タンパク質、脂質)のバランスを良くをとる

3. ビタミン類(特にC)を多く摂る

4. 規則正しい食事を心がける(朝食をきちんと摂る)

5. 食物繊維をたくさん摂るようにする

6. 十分に休養をとり、疲れを残さない

7. 定期的に運動をして肥満を防ぐ

8. 糖尿病を防ぐ

胆石症と栄養

アロエ

万能薬として様々な症状に効果的です。

コレステロールの吸収を阻害し、胆石の予防にも効果があります。

特に、コレステロール胆石にはとても有効です。

ミルクシスル(マリアアザミ)

ミルクシスル(マリアアザミ)に含まれるシリマリンというフラボノイドには、胆汁分泌促進作用があり、

ビリルビンによる結石の危険性を下げる効果があります。

肝臓を守る最も効力のある物質。慢性胆炎・胆硬変にも効果があります。

レッド・イースト・ライス(紅麹)

これに含まれるHMG−CoA還元酵素抑制成分と不飽和脂肪酸がコレステロールの増加を抑制。

コレステロールから出来る胆石を予防します。

食物繊維

胆汁中のコレステロールを下げる効果により、胆石を予防します。

ビタミンC

胆汁酸の合成に必要です。

ビタミンE

優れた抗酸化物質で、結石ができるのを予防します。

胆石症に効果を発揮するビタミンです。

大量のコレステロールを投与してもビタミンEが適切であれば、胆石ができないことが、

動物実験により確認されています。

臨床データ・学会報告

コレステロール系胆石は、胆汁のコレステロール濃度が異常に高まると結晶が出来て結石を形成しますが、

アロエがコレステロール結石に効果があると報告があります。

北里大学保健衛生専門学院の小菅優子氏は、高コレステロール食をラットに与え、

アロエを投与したラットとしないラットで、胆石の発生にどのような違いがあるかを調べました。

 

その結果、高コレステロール食だけを3週間与えたラット群には、100%胆石の結晶が見られました。

アロエを投与したラット群は、外因性コレステロールの吸収を阻害し、

脂肪胆の発症が抑制されたと報告しています。

                                                  

inserted by FC2 system